エチケット🄬ブラシのはじまり
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エチケット🄬ブラシのはじまり
1959年に初めて発売され、今ではすっかり身近な存在となった「エチケット🄬ブラシ」。
実はこのブラシ、社員が取った”ある行動”から生まれたんです。
エチケット🄬ブラシ誕生秘話 きっかけは何気ない作業員の日常
当社は1922年(大正11年)設立、当時輸入に頼っていた「パイル織物」の国産化を目指し設立されました。
主力製品は電車、バスなどの座席に貼られるモケットと呼ばれるシート生地です。
一部モケット生地を一方方向に傾斜させスキー板の裏に貼って抵抗を付け、ゲレンデを上る際、
滑りにくくする〈スキーシール〉と呼ばれる商品も作っていました。
ある日、工場の作業員がスキーシールの切れ端を使って服についたホコリや糸くずを払っていました。
毛先が寝たパイルを逆立つ方向に使うと摩擦でホコリや汚れが取れるという、
パイル生地の性質を知り尽くした作業員ならではのアイデアでした。
この様子を目にしたのが、当時の社長・鶴澤輝彌でした。

その一瞬を見逃さなかった、社長のひらめき
当時は、生地そのものを売る一次製品が中心でした。
鶴澤社長の「もっと付加価値のある製品を作りたい」という思いもあり、
このアイデアはすぐ形になりました。
1959年、洋服ブラシの形をした「エチケット🄬ブラシ」として商品化されました。
これが、当社にとって初めての消費者向けの商品でした。

払うじゃなくて、取る。だから売れた。
当時の洋服ブラシは、ホコリを「払い落とす」タイプが主流でした。
それに対して、エチケット🄬ブラシはホコリを「しっかり取る」、これが大きな反響を呼びました。
ただ、今でこそ当たり前のエチケット🄬ブラシも、発売当初は販路がゼロ。
「これ、どこで売ればいいんだろう?」と、しばらく試行錯誤の毎日でした。
転機になったのは、量販店での店頭販売。
高度経済成長期とも重なり、「これは便利!」と、あっという間に大ヒット商品に。

小さな工夫が、暮らしを変える。
エチケット🄬ブラシが生まれたきっかけは、現場のひらめき。
そこに技術とアイデアが加わり、今では世界中で使われる商品になりました。
こうした発見や工夫こそが、モノづくりの原点。
これからも私たちは、暮らしの中の”気づき”を大切に、新しい価値を届けていきます。